コラム

2008/03/14

大人のひとり遊び(茨城・KK)


▼先日、新聞で興味深い記事を見つけた。東京・烏山の世田谷文学館で「永井荷風のシングル・シンプルライフ」展を開催中ー早速休日を利用して早春の電車&ウォークぶらり旅と洒落込んだ

▼作家・永井荷風(1879・明治12年〜1959・昭和34年)は30代半ばまでに2度の短い結婚生活を経験したが、離婚後は79歳で亡くなるまで生涯独身を通した。文化勲章を受章するほどの文豪でありながら、下駄履きで買物籠を下げて街を歩く。食事はシンプルクッキングで自炊。その反俗的な生き方からか近年再び注目を浴びている

▼価値観の多様化する現代は生涯をシングルで過ごす人も珍しくない。テレビドラマや雑誌の影響もあるだろう。もはや、ちびまる子ちゃんやサザエさん的な一家団欒(いっかだんらん)ばかりが幸せの形ではなくなった。家族関係の希薄化、少子高齢化で誰もがシングルライフに興味を持たざるを得ない時代になったと言えるだろう

▼?毎日、ブログ(日記)を更新?気に入った飲食店は徹底活用?読書は長い友だち…番外として、マイブームをつくる等々。世田谷文学館では「荷風スタイルに学ぶシングルを楽しく生き抜くための10箇条」を提唱している

▼某建設会社・N社長は大人のひとり遊びを実践する人だ。既婚でお孫さんもいるが。忙しい企業経営のかたわら、旺盛な好奇心で趣味を大切にし、花鳥風月を楽しむ。95年には初のエッセイ集も上梓している。「日常のなかのささやかな非日常」、「平穏のなかのささいな一興ーN氏の著書の一節だ。人はひとりでは生きられないが、自分だけの時間や空間も無くてはならないものである。(茨城・KK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら