コラム

2008/03/17

友人の誇らしい横顔(群馬・AN)


▼「きちんと積算し、高い落札率で受注しても、これだけ単価が下がると適正な利益が確保できない。ましてや、ダンピングして受注した物件なんてなおさらだ」との声が建設業者から多く上がっている。現在の業界を取り巻く環境は非常に厳しい。公共事業の発注はピーク時に比べ、半分以下にまで落ち込んでいる

▼過日、東京で数年ぶりに学生時代の友人と酒を交わした。所用や勤務地の関係などで、参加できない友人もいたが、当日は筆者を含め4人が集まった。久しぶりということもあり、皆の変貌ぶりに期待を寄せていたが、意外にもそれほどの変貌は感じられなかった。しかし、30代ともなれば、ウエスト周辺の出っ張りが目立ち始める年齢。案の定、酒席の冒頭もその話題から始まった

▼3人とも職種は様々。大手電機メーカーの営業マンに、大手スーパーマーケットの店長、もう1人は自営業だ。大手電機メーカーの営業マンは3度の転職を経験。商社マンは、卒業後に就いた企業に現在も勤務している。自営業の友人は、父親が営む建設業の後継者となった

▼その建設業の友人が酔いも良い頃合となり、今置かれている状況や将来の目標などを冗舌に語り始めた。筆者も自分の求める記者像を見つめ直した

▼「厳しい環境だからこそ生き残る価値がある。コスト縮減はもちろんのこと、これまで1人1役だった仕事を1人2役にするなど、利益を確保するすべは必ずある」とほろ酔い加減で語った建設業の友人。その熱い言葉に今後の建設業への光を感じるとともに、語った彼の横顔が一回り大きくなっていたウエストよりも誇らしく感じられた。(前橋・AN)

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