コラム

2008/04/04

誰から何を学ぶか(茨城・KM)


▼今年2月に学習指導要領の改訂案が発表された。21年度から一部の内容を先行実施する。国語・算数(数学)・理科・社会などの主要教科で小・中ともに授業が1割以上増(中学校理科は3割、数学は2割増)となる。小学校算数では「台形の面積」の求め方が復活するほか、5・6年生では「外国語活動」として英語が導入される

▼この改訂案により、教師の仕事量はより増すと考えられている。授業時間の増および、今まで教えていなかった外国語活動にまで取り組まなければならないからだ。「いかに興味を持たせた上で、楽しく理解させるか」に教師は腐心する。責任感との戦いでもある

▼教師に関する法律も21年度から改正される。教育職員免許法改正によって、従来は終身有効であった教員免許が10年ごとの更新制となる。更新の際には「30時間の講習」を受けなければならない。「でもしか先生」などと言われたのは遠い昔のことだ

▼免許状更新講習は「その時々で教員に必要とされる最新の知識技能を修得することを目的として大学などが実施するもの」とされている。講習の内容については、現在、中央教育審議会において検討中とのこと。カリキュラムに添っただけの、画一的な教育が問われるところだ

▼筆者は、台形の求め方について先生が解説してくれた瞬間の衝撃を今でも覚えている。まさに目から鱗だった。教員免許更新の際には「最新の知識技能」よりも「生徒が興味を持てる授業の仕方」を、願わくば生徒に人望のあった先生から学んで欲しいものだ。誰から何をどのように学ぶかは、人の一生を左右するから。(茨城・KM)

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