コラム

2008/04/09

未来に続く3.14(山梨・CT)


▼3・14が復活した。2月に公表された学習指導要領改定案によると、円周率について「目的に応じて3を用いる」が削除され「3・14とする」となった。ゆとり教育の是非で物議を醸した円周率。無限に続くこの計算にあたっては、今も世界中で数学者や企業が挑戦している

▼後に映画化もされた小説「博士の愛した数式」では、記憶障害を負った「天才数学博士」が家政婦とその息子に対しコミニケーションの手段として「数学」を用いる。家政婦の靴のサイズを尋ね「24」と答えると「それは潔い数字だ」と返し、出てくる数字同士を色々な数式などにあてはめてつながりを導く。博士にとって関わりのある数字を持っていることで相手との距離を縮めているのだろう

▼紀元前195年頃、古代ギリシャの学者エラトステネスが最初に地球の円周を測ったといわれる。結果は、実際より1割ほど過大だったそうだが、当時の手法や器具を考えれば素晴らしい功績だ。彼が現代の測量技術に触れたら、今度は何を測ると言い出すのか

▼日本では伊能忠敬が歴史に名を残している。高度で近代的な測量を行ったことでも有名である。忠敬が第一次測量を開始した時、彼はすでに56歳。やはり技法が乏しい時代、残りの生涯を後世に残る地図作りに捧げた

▼学生時代、ややこしい公式に頭を悩ませた人は多いはず。しかし、測量に構造計算。建設業ではたくさんの数字や数式に囲まれて仕事をする。子供たちにはたくさんの数字に触れ、興味を持ってほしい。3・14のその先を楽しむ大人のように。それが未来の業界を進化させ、向上させていくのではないだろうか。(山梨・CT)

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