コラム

2008/04/16

桜は心のオアシス(埼玉・YW)


▼首都圏地域の桜の季節は終わった。美しさを鼓舞するように咲いたが、いつものように散った後の道路を占用する姿はいたたまれない。あっという間に散り、そして日々北上中だ

▼桜はさまざまな歌にもなり、文字通り日本人の心の糧にもなる。3月から4月にかけてちょうど旅立ち、出会いと別れの季節と合致することから、さまざまな人生を投影させるドラマを演出する。つまり、人生の転換点を演出する下支えをし、人生を見守っている。だからこそセンチメンタルな歌に適しているのかもしれないが

▼日本人は、古代より神にすがるなど、何かにすがりたくなる国民性である。出会いと別れ、少し切ない季節に登場する桜は、心のよりどころであり、砂漠の中のオアシスなのではないか。切ない時期だからこそ、どこか寂しさとセンチメンタルな気持ちを欲している少女の心のように、あの淡いピンクを目ではなく心が探しているのかもしれない

▼桜を見ると、慌ただしい日常業務を一時でも忘れ、なぜか心を落ち着かせてくれる。ところで建設業界にとって桜に該当するものは何だろうか。オアシスに匹敵するものは何かと考えるが、なかなか見つからない。しかし、それぞれの課題と目標、生き残りをかけて突き進むこと、つまるところ砂漠の中をさまよいながら進み、泉を見つけることが重要ではないか

▼砂漠という大変な時期でも、たとえ美しい桜でなくとも、生き甲斐、やり甲斐、高い目標を、砂漠で自らを見失わなければきっと泉は見つかるはず。最後はあきらめない強い志こそ泉を発見しできるのでは。来年も心のオアシス・桜を愛でたいものだ。(埼玉・YW)

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