コラム

2008/04/23

公共事業のイメージは(群馬・II)


▼人間のイメージは、あやふやなものらしい。似顔絵などを基に人を捜す時、リアルな絵や写真などでは、意外なことに見つけづらいという話だ。実際、犯人の似顔絵でCGを使い、リアルなものを使用したら、発見情報などが余り集まらなかったという。これは、頭の中で人をイメージし、現在の姿・形を予測しにくいことから起こる現象らしい

▼実際、絵を完璧に似せるより、特徴を強調し、崩し気味に書いた方が、特定しやすいとのことだ。街頭の似顔絵描きや警察の似顔絵担当者は、特徴を強調して書くようにしているらしい。人相や体型などの特徴を基に、イメージを固めるから起きることらしい

▼風評というものもイメージによって様々に変わってくる。「この商品は安い」や「芸能人が使っている」といった良い情報により、爆発的に売れることもある。一方、冷凍ギョーザに農薬が混入したという悪い情報による、冷凍食品業界の風評被害など、イメージに左右され状況が大きく変化する

▼昨今、公共事業に対する風当たりは、非常に厳しい状況にある。種々の不祥事の発生、説明不足、談合などによるものだ。人は、分かり易い悪を求めるもので、悪いことが重なった公共事業が、特に目に付いたのだろう。状況を打破するため、行政も談合防止対策などを行い信頼回復に努めている

▼これもイメージによるものだ。悪い情報が多く広がり、公共事業の良い面が覆い隠されてしまったことが原因となっている。今後は、公共事業の良いイメージや必要だという状況説明をしっかり行い、イメージの転換を図らなければならない。決して不可能なことではない。(群馬・II)

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