コラム

2008/04/28

若者不足の建設業(東京・JI)


▼日本建設業団体連合会など3団体が開設したWEBサイト『BUILD UP!(http://www.buildupper.com)にアクセスしていただきたい。最初に映るのは工事現場の映像で、作業員が工具を手に踊る。黄と黒による全体の色使いは現場を感じさせる。特徴は、工事現場の音を使って音楽を制作できるところだろう。遊びを取り入れたところに新しさがある

▼新サイトは高校生・大学生の就職予定者を対象とする。建設業界への新卒入職者数は減少傾向にあり、人材獲得は重要な課題だ。このため『BUILD UP!』では、若手社員による日記や現場レポートなど建設業を身近に感じられるコーナーが設けられている

▼また建設業にやってきた新入社員向けの冊子『yokoso(ようこそ)』を作ったのは東京建設業協会。このパンフレットでは、入社4年目の若手社員が建設業の魅力を説いている。彼らは「何10人もの力が一緒になって大きな建物ができていく」「スケールの大きい価値のある仕事をしている」と仕事のやりがいを語る

▼人材獲得もさることながら、入職した新人をいかに留まらせるかも業界の必須項目である。今や建設業界では次世代を担う若者が不足しており、産業の活力低下が懸念されている。入社後数年を経て未来を見つめる若者の言葉が、新人の胸に届くことを祈りたい

▼『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』の著者・城繁幸氏は、あとがきで「新卒3年内の離職率は(現在の3割から)4割にまで上がる」「通常の企業形態は維持できなくなる」と推測する。どうやら建設業のみならず、どこの業界でも人材確保は悩ましい問題のようだ。(東京・JI)

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