コラム

2008/05/01

才能育たない紋切り型教育(山梨・OS)


▼過日「エジソンの母」というテレビドラマを観た。このドラマは小学校を舞台に、天才的な才能を持った少年と、その少年を取り巻く大人達とのやりとりを描いたものだ

▼あの発明王エジソンは小学校時代、疑問に思ったこと全てを先生に質問しつづけ、問題児として退学させられた。このドラマの主人公である少年も疑問に思ったことを、先生や周りの大人に質問していく。世間で当たり前とされている事の意味を次々に質問してくる少年は、先生や父兄から次第に問題児扱いされるようになる

▼ある日、図工の時間、楽しかった事を絵に描くという宿題に少年は、白い画用紙に白い絵の具で絵を描いて持ってきた。児童画教育の第一人者といわれている美術の先生はその絵を見ると、「問題外の絵」と酷評した。また先生は黒や茶色を多く使った絵を取り上げ「これはわるい絵です」、赤や黄色を多く使った絵を取り上げ「これはいい絵です」と生徒らに説明した

▼そこですかさず少年は質問する「先生、いい絵とわるい絵ってなんですか?」。先生は当たり前のように答える。「明るい色遣いの絵が子供らしいいい絵、暗い色遣いの絵がわるい絵」。その答えを聞いた父兄は「うちの子も、先生のおっしゃるようないい絵が描けるようにがんばらせます」と熱心に話した

▼色々な形をしているものを1つの型にはめ込むには、原型を削らなければならない。しかしその削られた部分にこそ素晴らしい可能性が秘められているのではないか。発明王エジソンの母は、異端児だと嘲笑される息子をそのまま温かく見守り育てた。紋切り型の教育では天才は育たない。(山梨・OS)

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