コラム

2008/05/08

さまざまな現代の親と子(群馬・SS)


▼まだ鮮やかな桜が咲き乱れていた4月、千葉県や長崎県の公立高校で入学金を納めなかった生徒に対して、学校側が入学式に参加させないという「事件」が起きた。事前のオリエンテーションなどで入学金に関する説明をしていたというが

▼この件について世論は賛否両論、意見が真っ二つに分かれている。「一生に一度の入学式なんだから、あまりに酷すぎる」「義務教育ではないのだから、この対処は当たり前」。いずれのケースも、式の後に全部または一部の納付がされた

▼このニュースを聞いて、給食費未納問題を思い出した。支払い能力があるのに払わない。親の言い分を聞くたびに呆れ返ってしまう。「義務教育なんだからタダなのが当然」「誰も頼んだ覚えがない」と、とんでもないことを平気で口にする

▼散歩の途中、ぼんやりと歩いていると、1人の小学校低学年と思われる男の子と親御さんらしき人が、側溝近くで何かをしていた。「何をやっているんだろ?」と見ていたら、ふと少年と目が合い「おはようございます!」と元気良くあいさつされた。筆者も慌てて返答した。のぞいてみれば大量に捨ててあるゴミを拾っている。話を聞くと、前日ゴミに気づき、親に相談して掃除をすることにしたという

▼給食費を支払わない親やパチンコに興じて車内に子供を放置する親たちが横行している一方、朝から健気に清掃に励む子どもがいる。「早起きは三文の徳」と言うけれど、朝からいい光景を見て、少年に「立派になって欲しい」と思わず心の中で応援した。しかし、一方で払うべきものを払わない身勝手な親の子の行く末を案じてしまった。(群馬・SS)

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