コラム

2008/05/12

リニア事業に活性化期待(山梨・TH)


▼4月上旬、山梨県などが行う大型観光キャンペーンの一環として、D51型蒸気機関車が桃の花が咲き乱れる甲府駅ー塩山駅間を走った。煙を吐きながら汽笛を鳴らし、力強く春の甲斐路を駆け抜ける姿は迫力満点。山梨県内でのSL運行は38年ぶりの出来事だった

▼特別運行されたのは、第498号機で1972年に廃車となり、1988年に復元された車両。デゴイチの愛称が有名で、蒸気機関車の代名詞にもなっている。しかし、今や鉄道はSLー新幹線ーリニアへと進化し続けている

▼山梨県内でも、超電導リニアによる中央新幹線の整備が具体化し、山梨県早川町と長野県大鹿村の2カ所で、水平ボーリングの調査が始まり、2008年度末までに終了する。計画では、東京から南アルプスをトンネルで貫き、長野を通過し、名古屋間をほぼ直線で結ぶ計画。JR東海が首都圏〜中京圏区間の営業運転開始を2025年を目標に自らのイニシアティブのもとに推進・実現する方向で検討を進めてきた。その結果、路線の建設について自己負担で行うことを明らかに

▼1962年に超電導リニアの開発が始まり、1990年に山梨実験線建設に着手した。さらに、2007年には山梨実験線で、基盤技術が確立した設備を実用化仕様に全面的に変更するとともに、42・8キロメートルに延伸する工事が進められている

▼早速、山梨県ではリニア停車駅の誘致に県を挙げて乗り出した。仮に実現すれば、建設業界はもとより県民にとっても大きなチャンスが訪れる。横内・山梨県知事には、山梨を活性化させるために是非とも頑張っていただきたいところだ。(山梨・TH)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら