コラム

2008/05/13

安さ追求の先にあるもの(茨城・HN)


▼最近、家を建てる際に、インターネットで住宅設備を購入する人が増えている。従来は、ハウスメーカーが提案する住宅プランをもとに選択する形が当たり前だった。同じ製品であれば安いところから購入したいとする消費者と、販売ルートを拡大したいとする生産者との思惑が、インターネットを介して一致したようだ。だが、そこに人と人とのふれあいは感じられない

▼「価格コム」は、家電から食に至るまで、販売価格やクチコミ情報などの視点で比較・検討できる買い物支援サイト。住宅設備のコーナーも充実し・利用者も多い。だが、そんなことをしたら「ハウスメーカーの人に敬遠されるのでは」と思いきや、それが最近ではそうでもないらしい。むしろ、ハウスメーカー側から提案してくるケースもあるというから驚きだ

▼住宅部品業界では、ウェブ上でパーツショップ開設の動きが強まっている。このほど、大建工業?(富山県)がレバー類など150点の部品を揃えた「DAIKENパーツショップ」を開設。トステム?(東京都)も開設済みで取扱品数を増やしている。いずれも顧客満足度向上の一環で、ユーザーの利便性向上につなげていきたいとしているが、人を省いて作業の効率性を重視しようとする結果ではないだろうか

▼物価が高騰する時代、少しでも安く商品を手に入れたいとする気持ち、作業を効率化したい考えは理解できる。しかし家電ならいざ知らず、住宅設備であれば、ものづくりに関わる受注者の気持ちも介入するはず。作り手の気持ちも考えてあげることが、一体感を生み、より良い成果品につながるのではなかろうか。(茨城・HN)

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