コラム

2008/05/23

ドバイに見る次の一手(茨城・KK)


▼東京入国管理局成田空港支局が今月9日までにまとめたところによると、今年のゴールデンウィーク期間(4月26日〜5月6日)の出入国者数は約72万7600人。暦の関係と折からの原油高の影響で昨年比9・6%減。各旅行会社も今後に危機感をつのらせていることだろう

▼アラビア半島の7の首長国からなるアラブ首長国連邦のひとつの首長国ドバイ。人口約140万人、面積は埼玉県とほぼ同じ。中部国際空港、関西国際空港からも毎日直行便が出て、今や若い女性の行きたい国の上位にランクされている。そのドバイが世界中の建設用クレーンの3分の1が集結するほどの建設ラッシュにわいている

▼以前より「海岸の真珠」と称され中継貿易が盛んだった「商人の町」ドバイに転機が訪れたのは1966年の石油の発見だ。しかし当初から「石油もいずれ尽きるだろう。その時のために今から準備を」。そのオイル・マネーで国内経済の多様化に積極的に着手した

▼空港・港湾の建設と拡充をはじめとするインフラの整備、関税・法人税免除などの優遇措置により企業誘致を推進。多くの外資を呼び込み現在2500社を超える企業が立地。同時にアラビアンナイトを彷彿とさせる砂漠と美しい海を活かした観光ビジネスのさらなる発展ため沖合い200mの海上に世界最高321mのホテル「バージュ・アル・アラブ」をはじめ高級ホテルを続々と建設している

▼ドバイは既に石油のGDPに占める割合を6%にまで押し下げ、2010年には石油依存度ゼロを目標にしている。常に次の一手を見据えるドバイの政策は大いに見習うべきだろう。(茨城・KK)

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