コラム

2008/06/04

認識強めたい環境と耐震(埼玉・YK)


▼緑が濃くなり、近くの天神様の杜に今年も夏告げ鳥のカッコウがやってきた。東京都立川市の拙宅周辺には自然が残っており、隣家には毎年ツバメが、昨年からは雨戸の戸袋に椋鳥、葡萄棚には山鳩が営巣する。さらにその卵や雛を狙って畑から青大将が這い登る。梅雨に入れば近くの玉川上水で今年も蛍が乱舞する

▼京都議定書発効以来、二酸化炭素がビジネスのキーワードになっている。右も左も『エコ』を看板に掲げ、いかに環境に負荷をかけない商品であるかを全面に押し出している。まだ使えるものを捨ててまで買い換えるのはどうかと思うが、それほど環境やエコが商売に直結している証だろう

▼阪神淡路大震災、中越地震のほとぼりが冷め、地方公共団体では予算がないからと耐震が疎かになり始めた矢先、中国四川省で地震が起こった。これを目の当たりにして国は病院や学校の耐震化を加速する方針を打ち出し、耐震の補助率は3分の2まで引き上げられる

▼今後、環境と耐震について相当の需要が見込まれる。学校と病院の耐震を筆頭に、屋上や壁面の緑化、河川や公園などの再整備、新素材による舗装、雨水貯留槽、廃材のリサイクル等々、掲げるときりがない。新規に何かを造るのではなく、今あるものを環境に負荷をかけず安全に美しく使いやすくーと言うことらしい

▼全国紙は日本の建設コストが欧米に比べ高いーと一括りにした論調。しかし1つだけ言えることは、台風が毎年上陸し、急峻かつ多雨で活断層が各地にあり地震が頻発する我が国に、欧米の建設生産システムや単価をそのまま持ってくれば必ず破綻が生じるということだ。(埼玉・YK)

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