コラム

2008/06/10

首都圏3番目空港の未来(茨城・KK)


▼茨城県小美玉市の航空自衛隊百里基地を民間共用化し、羽田、成田に次ぐ首都圏3番目の空港(茨城空港)として開港させる事業が進んでいる。事業主体の国土交通省では新滑走路の舗装工事などを進め、県でもターミナルビルの設計やアクセス道路の整備を実施。関係団体で構成する利用促進等協議会の総会もこのほど開かれた。開港目標は2年後の平成22年3月

▼茨城空港の現在の最大の課題は就航先の確保だ。当初は北海道、大阪、福岡、沖縄との接続を目指していたが、首都圏で国際線の需要が大きく伸びているため、最近はアジアを中心に海外路線の就航確保にも取り組んでいる

▼さらに、他空港との差別化を図るため空港のローコスト化も推進する。最近脚光を浴びているLCC(ローコストキャリア、格安航空会社)が就航しやすい空港にしようというもので、ターミナルビルも設計を変更

▼LCCはアメリカやヨーロッパで始まったが、近年はアジアでも開花。現在、世界最強のLCCはマレーシアのエアアジアで、コストは日系大手の約4分の1。日本の札幌〜福岡間に相当するクアラルンプール〜バンコク間は最低料金で1700円というから話題性がある

▼冒頭の協議会総会では、航空アナリストの杉浦一機氏が講演を行った。氏は、これまでに成功した空港が大切にした視点として?誘致側、エアライン、利用者それぞれにメリットがある?潜在需要を把握し、その動きを核に実需を形作る?片側だけでなく双方向の需要が必要−などを指摘した。厳しい経営が多いといわれる地方空港。茨城空港が無事、開港を迎えられるか注目したい。(茨城・MK)

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