コラム

2008/06/16

ゲンゴ・ゴリラ・ラップ(長野・EM)


▼漫才コンビ・爆笑問題とゴリラ研究の世界的権威である山極壽一・京大大学院教授の対談番組を興味深く見た。山極教授は野生のゴリラと共に雨宿りをしたことがあるという。しかも「しばらくすると彼は、私の肩に頭をもたれ眠りはじめた」そうだ。なんと素晴らしい光景だろう

▼ヒトとゴリラは同じ霊長類。遺伝子の違いは2%に過ぎないというから、あながち信じられない話ではない。されど2%。過当競争が続く公共事業の入札ならば十分に当落を分け得る数字である。片や我が世の春を謳歌し、その影響により一方は絶滅の危機にひんしているのが現実

▼また教授によれば、ゴリラは鼻歌を歌うという。歌=音楽は、表現の手段として言葉よりも先に存在するものらしい。ヒトの世界では第1手段の座を言語に取って代わられたものの、音楽は、気持ちを伝える基本ツールとして我々の心底に根付いている。これこそが音楽に境界はないと言われるゆえんか

▼日本建設業団体連合会など3団体が開設したWEBサイト『BUILD UP!』には、ドリルやスタンプなど工事現場の音を使いオリジナルサウンドを作れるメニューがある。次世代育成が課題となっている昨今、音楽を介して若者の興味を引き、業界を身近に感じてほしいとの思いがにじむ

▼単純なマウス操作で、律動的なサウンドがたやすく出来上がった。ならばいっそ、と思いを乗せてみた。『業界窮状 日々自嘲 資材高騰 私財抵当 指名消えても残る使命 もう限界だと皆悲鳴誰も知らないこの先は未知 それでも造り進みゆく道』。はたして音楽は世界を変えられるのだろうか。(長野・EM)

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