コラム

2008/06/26

在来種に住み良い環境整備(群馬・NK)


▼国立科学博物館の発表によると1922年に南大東島で発見されたが、その後確認されず絶滅したと考えられていた鳥類「ダイトウウグイス」の巣と卵が鹿児島県奄美諸島の喜界島で発見された。環境省のレッドリスト(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)にも絶滅種として掲載されていた生物の再発見は単純にうれしく思う

▼近年、在来種については鳥類や両生類、爬虫類など、種に係わらず生息数の減少などが話題にのぼる機会が多い。しかし、その一方でブラックバスやカミツキガメ、アメリカナマズなど外来生物は、その生息数の増加などが問題とされている

▼外来生物の中でも、特に大きな影響を及ぼす生物は「侵略的外来生物」と定義され、特に問題視されている。しかし、このような生物も本来の生態系の中ではごく普通に生活していたものであるし、本来の生息地では生態系の一員としてバランスを保って生活していたものだろう

▼外来種の増加や在来種の減少の要因には様々なものが考えられているが、生息環境の変化に起因するところも多いという。恒久的でメンテの費用がかからないコンクリートの護岸などは、在来種にとっては生息しづらい環境が構築される。しかしある種の外来種にとっては適した環境となる場合もあるだろう

▼現在、自然環境を生かした河川や景観の整備が様々な場面で進められている。ビオトープなど水辺の自然環境を取り入れた施設なども人気があるようだ。バランスを保った本来の自然を身近に感じられるような環境整備を願っている。最優先はヒトであることは言うまでもないことだが。(群馬・NK)

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