コラム

2008/07/09

雪割草のように咲く(新潟・KK)


▼春の訪れとともに可憐に咲く雪割草が、今年も新潟県の山野を彩った。その雪割草は、ふるさとの環境を守るシンボルとして今年3月、「新潟県の草花」に指定された。新潟県では今後、環境保護や災害からの復旧・復興に取組む新潟をアピールし、観光・交流の素材として雪割草を活用していく方針

▼雪割草はキンポウゲ科ミスミソウ属の園芸名で、新潟県が国内最大の自生地。特に県内のほぼ全域に分布するオオミスミソウは花の色や形が多様に変異することから極めて貴重で、世界からも注目されている

▼雪割草は準絶滅危惧種であるため勝手に採取することは禁じられている。ただし、栽培種の販売は人気が高く、近年ではインターネットによる通信販売が増えたこともあって、一株に数100万円の値が付く高額なものもある

▼春に雪を割って咲き誇る雪割草は、ひたむきなだけでなく、一つひとつの個性的な花々が互いを引き立て合い、美しく調和しながら咲く点も魅力。また、乱獲から雪割草を守るための活動が各地で進められており、自然環境を守る取組みの象徴にもなっている。主な群生地として長岡市や柏崎市が有名であるが、これは中越地震や中越沖地震の被災地とも重なる。そのため震災に負けず立ち上がる新潟県のシンボルでもある

▼依然として厳しい情勢が続く建設業界。業界を支える各会社、そして会社を支える従業員一人ひとりは、それぞれ豊かな個性と魅力を持っている。競い合うばかりではなく、共生していく時代のあり方を示唆しているとも言われる雪割草のように、厳しい冬を乗り越えて美しく咲き誇れる環境になって欲しい。(新潟・KK)

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