コラム

2008/07/16

45年後の未来から(山梨・CT)


▼飲みに出かけていた夫が帰宅すると、手足が血だらけである。どうやら酔っぱらって帰り道で転んだらしい。当の本人は酔いが回っているせいか「久々にこんなに転んだ」とはしゃいでいる。救急箱を取り出しながら「こんな大きい絆創膏を使うのは久しぶりだな」と筆者もおかしくなった

▼絆創膏も進化している。最近は、擦過傷などには消毒せず、傷口を乾かさず湿潤状態で治癒する「湿潤療法」が普及し始めた。傷口から出てくる体液を保ち、自然治癒能力を高めて治そうというもの。この治療法に対応した商品が発売され、値段は少々高めだが「傷口がきれいに治る」と評判だ

▼のび太くんは「未来の自分は立派な大人になっている」と思い25年後の自分に会いに行く。ところが大人になってものび太くんはやっぱり頼りない。「今の自分を振り返ってみろ。たいした努力もしないで、ある日突然偉い人になれると思う?」とたしなめられる

▼赤ちゃんは1歳頃から歩き始める。しかし最初は2、3歩で尻もちをついてしまうようだ。時には豪快に転ぶことも。それでもめげず歩もうとする試みを止めない。大人になると転ぶことが怖くなる。経験と知識がそうさせる。だが平坦な道だけを選んで行けるわけでもない

▼頭も良くない、モテない、お金持ちでもないのび太くん。今度は45年後の未来からのび太くんがやってきた。おじさんになったのび太くんは言う「きみはこれからも何度もつまづく。でもそのたびに立ち直る強さも持っているんだよ」転んでも立ち上がり進んでいく、のび太くんと私たちは「負け組」なんかじゃない「立派な大人」なんだ。(山梨・CT)

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