コラム

2008/07/24

怪談についての今昔(群馬・II)


▼この季節になると、映画やドラマ、小説といった諸々の媒体で怪談話が取り上げられるようになり、暑い夏の彩りとなっている。有名なものでは、四谷怪談・皿屋敷・牡丹灯籠といった日本三大怪談などが好まれ、夏の風物詩として定着している。また、夏の季語になっているものまである

▼古くは、四谷怪談や番町皿屋敷のように歌舞伎の題材に取り上げられたほか、落語にも怪談噺と言われるジャンルを提供してきた。現代でも、日本古来のものから、学校の怪談のように比較的新しい話しを含め、人々に親しまれ、語り継がれている

▼そもそも怪談は、死に関する物語、幽霊、妖怪、怪物、民話伝説などを原型としており、今昔物語集などといった、古典文学にも多数の怪談が収録された。民間伝承などで語り継がれ、文学の域まで昇華した話まである。だが、現在の新しい怪談は、学校の怪談や七不思議、都市伝説のように噂や過去の事件、事故、創作怪談を題材にしたものが主流となってきている

▼その中でも創作怪談は、現代の情報化社会を反映している。噂話が広まる舞台は、年代や小学生の転校などによるものが主流だったが、時がたつにつれ、インターネットに舞台が移った。時を置かず、多くの人の目に触れるようになり、様々な話しがつくられるようになった

▼今も、多くの話しがつくられ、広められている。だが、昔と比べれば、玉石混交状態にある。その中にも珠玉の一品が埋もれているだろう。そのような話を探し、暑い夏をただ迎えるのではなく、怪談を楽しむのも一興かも。背筋が凍る思いはこうした話だけにしたいところだが。(群馬・II)

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