コラム

2008/08/29

逆境を「逆手」にとって(茨城・MK)


▼茨城県が募集していた今年度の「商店街活性化コンペ事業」の最優秀プラン1件、優秀プラン7件がこのほど決定した。最優秀に輝いたのは、常総市商工会の青年部が考案した「みつかいどう笑顔マッピングプロジェクト」

▼この事業は「笑顔」を活性化の資源としてとらえ、魅力的な笑顔を実践する?百笑人(商人)?を創出。商店街の新しい魅力の開発や提案を視覚化することで笑顔の商店街を創ろというもの。切り口が「笑顔」ということで、どこにでもある地域資源を活用する点が他の商店街への波及効果が高いこと、「笑顔」はすべての商売の原点であり活性化の基本である点が高く評価された

▼優秀プランも独創的なものが多い。水戸市の京成通り商店会では「風の商店街…ビル風で回す街の活力」として?悪者扱い?されているビル風を積極的に活用し、「風で動く」をテーマとした企画でユーモアあふれる景観と訪れる人々との触れ合い、共感が生まれる継続的な事業を展開することを提案した

▼笠間市のNPO法人「笠間ツクル事を考える会」では、ひまわりを栽培してその種から抽出した油で門前通り商店街に行灯(あんどん)を灯し、夜市を開催した。ひまわりを通して循環型社会の提案と商店街の活性化を図ることを挙げたものだが、これもユニークだ

▼これら受賞したプランには共通したものがある。地域資源を活用することはもちろん、「この地域には何もない」という発想や従来は邪魔者扱いをしていたものを「逆手」に取って積極的に活用していこうという点だ。この厳しい時代、求められていることは、そういう発想だろう。(茨城・MK)

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