コラム

2008/08/04

どうか美味しいものを(新潟・TH)


▼「このトマト美味しい!」とは拙宅の夕飯でのことである。聞くところによるとこのトマト、母が直売所に買いに行ったのだが、売れ切れていた。そそくさと帰ろうとしたところ、農家のおばあちゃんが「あんた時間あるなら、ちょっと待ってて」と言ってわざわざ畑まで採りにいってくれたーという。なんともありがたい話だ。そりゃーもぎたて、おいしいワケだ

▼しかし連日報道されている食品偽装問題。消費期限の改ざんや、消費期限不正表示、産地偽装、菓子類に鳥肉にうなぎなど…さまざまな食品で偽装が行われている。「中国産の食品」の危険性も取りざたされているが、こうなってくると、国内産の食品だからといって“安心”だという考えも出来なくなってきている。食品偽装によって安全な食生活はどこへいってしまうのだろうか

▼確かに食品業界では、企業の利益追求する上で、原価を極力抑え、かつロスを最小限にすることが重要となってくる。そのための偽装。これでは消費者に対して無責任過ぎる。そして、ブランドの上にあぐらをかいてこうした事件を起こした経営者等には全くもって憤りを感じる

▼しかし、長い間、こうした偽装が鶏肉や牛肉、菓子等などで行われていたにもかかわらず、ほとんど消費者からクレームが来ることがなかった。食品に対する信頼性もさることながら、自らの味覚や胃袋にも疑問を感じてしまうのは著者だけであろうか

▼なんといっても食品を扱う業界には、自信を持って自分自身や、自分の家族に食べさせられる食品を作って、売ってほしい。トマトのおばあちゃんのように、どうか美味しいものを。(新潟・TH)

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