コラム

2008/08/05

大切にしたい伝統文化(茨城・HN)


▼家の中では、以心伝心で何も言わなくてもわかり合えるのに対し、外の人はよそ者と見なしてすぐに心を許せないーという考えが日本人の特徴として挙げられる。近年、国際交流が盛んになってグローバル化と言われ、日本も国際化が求められている。だが、日本古来の文化が国際交流の妨げになるということもある

▼たとえば、外国企業は日本の市場に参入する際、取引の品目ではなくて、内々で話し合って決めてしまう習慣がある。その場にいる人にとっては都合の良いことも多いが、その場に居ない人にとっては非常に曖昧でわかりづらい

▼内と外の厳しい区別がある日本社会の特質について「近代以前の日本文化が影響しているのではないか」という考え方を、お茶の水女子大学大学院の頼住光子准教授が講義などで述べている。村人が、農作業を協力し合い内部で親密な一体感を保つ一方、外に対しては非常に警戒的で閉塞的な態度になる。このような文化が今日につながっているのではないかーと

▼長い歴史で登場する対外的な鎖国政策も、外に対して警戒する考え方が影響しているように思われる。昨今はとみに日本の国際化が求められている。このような考えを改めて、日本の文化をグローバル化していくことは重要なことなのかもしれない

▼しかし、それは日本の伝統文化を否定していくことにもなりそうだ。前述の、外国企業が日本の市場に参入する例で言えば、グローバル化することは談合を排除し、契約を重視していくことにつながっていく。だが、外部へ目を光らせ、内部を大切にしていくという考えは、日本ならではの大切な文化でもあるが。(茨城・HN)

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