コラム

2008/08/06

一掃したい3kの印象(東京・YO)


▼「ミスター」「キング」。これらのキーワードから何をイメージするだろうか。筆者は「ミスター」ならば長嶋茂雄元巨人軍監督、「キング」であれば横浜FCに所属する三浦和良選手が思い浮かび、2人のイメージが広がっていく。「建設業」はどうだろう。いまだ「きつい」「汚い」「危険」、俗に言われる3Kなのだろうか

▼筆者が住んでいた埼玉県さいたま市で大型の台風に襲われたことがある。河川の堤防ギリギリへと水嵩が迫り、氾濫する一歩手前。住宅街は床上浸水という、見たことがない光景にあぜんとした記憶がある。現在は、治水、利水、自然保護を目的とする人造湖を含め周辺が整備され、社会資本整備のありがたみが実感できる

▼国土交通省がことし2月に発表した平成18年の水害状況によると、死傷者数が約660人、被災建物棟数は約2万1000棟に及ぶなど甚大な被害だ。建物の水害による被害額は約3446億円という巨費。もし、地元建設業者による防災活動が皆無であったなら…考えるだけでも恐ろしい

▼また同省は、地方公共団体向けの発注者別評価点の活用による資格審査マニュアルを策定。この中では、地域に貢献する建設業者をできるだけ評価しようと、導入が望ましい評価項目例に災害発生時の活動実績や防災協定の締結状況など盛り込んだ

▼筆者が体験した大型台風時を振り返れば、当時も地域の建設業者が、被害の拡大防止に奔走し、不眠不休の復旧作業にあたっていたに違いない。建設業イコールマイナスイメージではなく、地域の、そして日本の社会資本整備を担う大切な存在であることをイメージして欲しい。(東京・YO)

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