コラム

2008/08/26

「言葉」の重さと責任(茨城・KM)


▼夏の風物詩とも言われるようになった「ロックインジャパンフェスティバル」が、今年も国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)で開かれた。来年で10周年を迎えるが、日本最大のロックフェスとして定着。今年は3日間(8月1日〜3日)で計15万人を動員した。地元ひたちなか市へもたらす経済効果は3日間で3億円以上にも及ぶ

▼そのフェス会場を対象とした殺人予告が、水戸市や日立市のポストに投函された。「フェス会場で秋葉原みたいな通り魔殺人を行う。ナイフで刺しまくる」と。結局、茨城県日立市の女(30歳)が警察の業務を妨害したとして「偽計業務妨害」で8月1日に逮捕された

▼主催者側は、殺人予告への対応として急きょ、手荷物検査および金属探知器によるボディーチェックを実施。また導入による入場ゲートの混雑を想定し、開場時間を2時間早めるなど対応に追われた。会場内における警察官の姿も例年に比べ明らかに多く、予告による影響の大きさがうかがえた

▼「秋葉原通り魔事件」以降、インターネット上において、殺人などの犯罪予告が相次いでいる。事件のあった6月8日から1カ月の間だけで小中学生を含む30人以上が検挙・補導されるなど、模倣、いたずらが後を絶たない

▼殺害予告などの場合、逮捕容疑は「威力業務妨害」や「偽計業務妨害」が多い。悪質でないと判断されると「軽犯罪法違反」で済む場合もあるが、犯罪は犯罪である。誰もが気軽にインターネットを利用し、自分の言葉を世界に発信できる時代。軽い気持ちのいたずらが犯罪となる。モラルの確立、そして自分の言葉に責任を持つべきである。(茨城・KM)

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