コラム

2008/08/28

経審についていろいろ(埼玉・YK)


▼経営事項審査、いわゆる経審が今年の4月に改正されている。平成11年のY点改正以来の大幅な改正と言われ、公共事業を経営の柱としている企業にとって最大の関心事。このため様々な業界団体が今回の改正に対応するため、経審講習会を各地で開いている

▼ある講習会で、土木工事完工高の3割程度を占める企業の若い経営者と話をする機会を得た。「未だに完工高を工作して経営内容で優位になるようにしている会社がある。役所から仕事を請け負う者として虚偽申請は言語道断だし、同じ業界に生きる者として情けない」と嘆く

▼経審における完工高は是正されているとはいえ、まだその比率は高い。完工高は消費税や損益計算書で確認しているが詳細なチェックは現実問題として不可能に近い。県でも疑義がある場合は「血税が投入される公共事業に関わる問題であり許されざる行為。閲覧に供している事業年度終了報告書でチェック出来るので声をあげていただきたい」と呼び掛けている

▼建設業者に対する行政処分のうち、営業停止原因のトップは経審の虚偽申請によるもの。帳簿の記載ミスによるものもごく一部にはあるので十把一絡げには言えないが、完工高の水増しや名義借りによる技術者の水増しなど意図的で悪質な者が後を絶たない

▼評点アップのため様々な対策を講じるのが経営戦略と言えるが、格付ランクが下がるなどの理由により虚偽申請に走ることなどは絶対避けたい。言うまでもなく入札参加表明書の虚偽記載は、天に唾する行為そのものではなかろうか。業界の信用を低めている一因にもなっていることを忘れてはならないだろう。(埼玉・YK)

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