コラム

2008/09/12

トップアスリートの言葉(茨城・KK)


▼見る者に多くの感動を与え、先頃閉幕した北京オリンピック。期待通りの活躍でメダルを獲得した選手、力を出し切れずに不本意な結果に終わった選手も試合後のインタビューでの受け答えは立派なものだった

▼競泳男子100m平泳ぎで優勝した時の北島康介選手。ひとしきり感涙にむせんだ後「何も言えねえ」。前回のアテネ大会の「超気持ちいい」に続く流行語(?)を披露した。ファンサービスの後は「応援してくださった方々のおかげで金メダルを取ることができました。ありがとうございました」

▼よもやの惨敗に放心状態の選手。マイクを向けられ、まず口をついて出た言葉は「今まで支えてくださった方々に感謝しています…」他の選手も、結果の良し悪しを問わず、そのほとんどが最初に感謝の言葉を口にした。テレビカメラを意識しての解答ではないだろう。死力を尽くした真剣勝負の直後にお行儀の良い演技などできるものではない

▼今や国民的な人気者になったプロボクシング世界フライ級チャンピオン内藤大助選手。劇的な逆転KO勝ちを果たした7月の防衛戦で、試合後リングに乱入した因縁の亀田興毅選手の「次はオレとやろう」との挑発にも、冷静さを失わず「よし、やるぞ〜」と相手に合わせ、うまくいなした。「あそこで気色ばんだりしたら観客がしらける。空気を読んだよ」と内藤選手は回想する

▼自分の力だけではスタートラインに立つことができないことを知っているだけに、一流選手になればなるほど謙虚になる。そしてファンが何を求めているかにも敏感だ。トップアスリートの言葉には考えさせられる点が多い。(茨城・KK)

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