コラム

2008/10/09

今も昔も情報戦(埼玉・AO)


▼戦国時代の数ある合戦の中でも、毛利元就の「厳島の戦い」、北条氏康の「川越夜戦」、織田信長の「桶狭間の戦い」は寡兵で大軍を破った3大奇襲戦として知られる。そのいずれにおいても、情報が大きくものを言っている

▼厳島の戦いで元就は、陶晴賢(すえ・はるかた)軍に対し、「厳島を取られれば危うい」との偽情報を流し、自分に有利な狭い厳島へ敵の大軍を誘い込んだ。氏康も川越城を囲む関東管領の両上杉氏、古河公方の連合軍7万に対して10分の1という兵力。偽の降伏や戦意が薄いと相手に信じ込ませた上での奇襲となった

▼最も電撃的な戦として知られる桶狭間。信長は大軍に抗しきれないとして「篭城戦」を選んだとの情報から、安心しきった今川義元は、要害でもなんでもない桶狭間で休息。信長は、正確に位置を特定し急襲、海道一の弓取りと謳われた義元の首級をあげた

▼戦場では、正確な情報を収集、分析するのは当然。敗者側に立てば偽情報に踊らされ、足元をすくわれたというかっこう。太平洋戦争での南雲機動部隊。ミッドウェー海戦の敗因は、不足する情報と嵌め手にハマってしまった点に尽きるのではないか。いるかどうかも分からなかった米機動部隊。アメリカの偽情報により明らかとなってしまった攻撃目標

▼ここ数年で、新聞業界も様変わりしている。いわゆるITの発達から、インターネットを利用した情報提供、居ながらにして世界中の情報が集まってくる。必要なものは、キーボードを叩けば出てくる。ただ、いかなる場合でも正確な情報の収集力と分析力、さらに決断力が大きく物を言うようになる。(埼玉・AO)

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