コラム

2008/10/10

職場のメンタルヘルス(茨城・KK)


▼「若い人の退社理由で一番多いのは人間関係」ー開口一番こう切り出されていささか驚いた。先日、水戸市の建設会社の安全大会の取材に訪れた際の安全講話の冒頭の言葉だ。講師は(財)茨城カウンセリングセンター理事兼カウンセラーの永原伸彦氏

▼10年連続年間自殺者3万人超!悩みは人それぞれで、簡単にひとくくりにするのは僭越というものだが、職場にはさまざまなストレス要因があり、多くの労働者が仕事上の悩みを抱えているのは事実だろう。「過度のストレスはうつ病はもちろん心筋梗塞や脳梗塞などの原因にもなり得る。そして誰もがその危険を抱えている」と永原氏

▼“nobody perfect”(完全な人など、この世にはいない)講演の中で氏が何度も口にした言葉だ。「この至らない不完全な自分と仲良く生きていこう」「全てを教科書どおりにやれる人がどれだけいるものか?」

▼「ありのままの自分を受け容れ、自分自身を大切にする」ー一見、マイナス思考と思われがちな「自己受容」だが、スポーツ選手などに必要不可欠な「メンタルタフネス」にもつながっている。本当のエネルギーは肩肘張った艱難辛苦などから出るものではなく、柔軟で合理的な思考から生まれる

▼職場のメンタルヘルスを考える上では専門家のアドバイスよりも直属の上司や先輩、同僚の果たす役割が大きい。日々の変化は身近な人でなければわからないからだ。ひと声かけるにしても「相手を変えよう」ではなく、「分かろう」とすること。相槌、頷きは偉大なコミュニケーションツールだそうだ。まずキャッチャーになって仲間の言葉を受け止めることから始めたい。(茨城・KK)

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