コラム

2008/11/28

国益を担う建設業(茨城・KK)


▼チンギス・ハーン、東ヨーロッパまでの広大な版図を誇った大帝国、鎌倉時代の元寇、または騎馬遊牧民族。従来そんな紋切り型のキャッチフレーズで知られたモンゴルだが、横綱・朝青龍、白鵬をはじめとする多くの大相撲力士の活躍などで今や日本中の人におなじみの国になってきている

▼社会主義国のモンゴル人民共和国も1987年頃からのソ連のペレストロイカの影響、1989年末のベルリンの壁崩壊で民主化運動が盛り上がった。1992年には国名をモンゴル国と改名。遊牧民の家畜の私有化が認められてから牧畜業の水準は飛躍的に向上したが、それにも増して注目を浴びているのが鉱業だ

▼輸出額の60%以上を占める鉱業は牧畜業と並ぶ基幹産業になっている。銅・モリブデン・錫・タングステンの他、金・石炭・ウランなども豊富な埋蔵量が確認されている。モンゴル政府は鉱産物の輸出拡大のため積極的に外資の導入を進めてきた

▼日本はモンゴルに対する最大の援助供与国であり、過去6年間で500億円の経済協力を行ってきた。先の大相撲の例などもあり、両国の関係は飛躍的に発展。在モンゴル日本大使館の世論調査で「モンゴルが最も親しくすべき国」の第1位になっている

▼そんな日本も、モンゴルにおける鉱物採掘権では5位に留まっている。ワールドクラスの未開発鉱床・南部ゴビ地方のオユトルゴイ鉱床が世界的な関心を集めている。プロジェクトにはもちろん、電力・水道・鉄道・道路等のインフラ整備が絶対に欠かせない。世界トップクラスの日本の建設技術が国益を担っていると言っても過言ではないだろう。(茨城・KK)

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