コラム

2008/11/18

存続に奇策も1つの道(埼玉・SW)


▼先日、広島県・福山競馬場へ行ってきた。建設業同様、地方競馬も瀬戸際に立たされている。12年の大分・中津を皮切りに、新潟・三条、群馬・高崎など7カ所が廃止の憂き目を見ている。廃止により、馬だけでなく関係者やパート職員などの雇用もなくなる。地域経済に与える影響は大きい

▼福山競馬では「少しでも盛り上がれば」と、1万円程度で施行できる「冠レース」を行っている。冠レースは、好きなレース名を命名できるほか、優勝馬との記念撮影や表彰式のプレゼンターを務められるなど至れり尽せり。レース名は、当日の出走表や新聞にも掲載され、一生の記念になる

▼導入に一役買ったのが、専門紙・福山エースの樋本輝明デスク。記者でありながら、冠レース採用を事務局へ後押し。「記者席にはもう何年も行っていないなあ」と、常にファン目線。スポーツ紙にもコラムを掲載し、広報マンとしても活躍。同じ書き手として記者のかがみだと感じる

▼筆者も数度、馬券を購入したが、残念なことにひとつも当たらなかった。それでも冠レースを行って楽しかったし、忘れられない貴重な思い出になった。近いうちに再度、足を運びたいと思っている。どうやら冠レースの狙いにどっぷりとはまった感がする

▼建設業も苦しいことに変わりはない。だからこそ、踏ん張らねばなるまい。廃業により、従業員の雇用がなくなるだけでなく、地域発展にも支障が出るなど影響は大きい。公共事業削減の流れは依然変わらない。業界存続には、冠レースのような奇策が長いトンネルの出口に導いてくれるのかもしれない。おおいに期待している。(埼玉・SW)

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