コラム

2008/11/21

いま信じたいもの(群馬・SS)


▼暦はもうすぐ12月。気の早い六本木ヒルズなどでは、すでにクリスマスイルミネーションの光が色鮮やかに輝きながら走っている。そんな光景をテレビ越しで目にする度に、今年もあとわずかだと実感する

▼この月に子どもたちが信じるものの代表と言えばサンタクロース。人は、年を重ねるにつれて、その存在を信じなくなってしまうものだが、筆者も例外ではない。いつ頃から信じなくなったのかは定かではないが、小学校低学年のころは、枕元にできるだけ大きな靴下を用意して、翌朝への思いを馳せた

▼最近になり、にわかには信じ難い発言が相次いだ。前の航空幕僚長の「日本は侵略国家であったのか」。現職兵庫県知事の「関東で震災が起きればチャンス」等々。いずれも組織の要職にある者の言葉だが、その重さと反比例するかのように軽く言い放った。各方面から疑問視する声が集中した

▼世界に目を向けると、やはり信じられない事件・事故が起きている。アメリカでは8歳の男の子が、父親とその同僚を射殺した。子どもでも撃てるライフルを使用したという。ハイチでは相次いで学校倒壊が発生し、多数の命が失われた。ずさんな建築による強度不足が指摘されている。いずれも、ごく最近に起こった出来事

▼食品の偽装なども目に余るが、この不景気の時代、いったい何を信じればいいのかと考えている人は多いはず。筆者もサンタクロースの存在をいまさら信じることはできないが、幼いころに立ち返って純真な心を持てるように心懸けて、新しい年を迎えたい。来年こそは心温まる、良いニュースが数多く届くことを信じながら。(群馬・SS)

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