コラム

2008/11/26

企業合併の行方(群馬・AN)


▼著作権譲渡をめぐる5億円の詐欺容疑で今月、音楽プロデューサーの小室哲哉氏が大阪地検特捜部に逮捕され国民を驚かせた。平成8年、9年と長者番付には高額納税額全国4位にランクインするなど、たぐいまれな才能でミリオンヒットを記録した。まさに「時代の寵児」として日本を席巻した

▼もう1人「時代の寵児」として、もてはやされた人物がいた。ライブドア元社長の堀江貴文氏だ。堀江氏といえば、プロ野球球団やニッポン放送の買収劇、さらには総選挙への出馬など大きな関心を集めた。しかし、小室容疑者と同様、証券取引違反容疑で東京地検特捜部により逮捕され、現在は東京高裁の判決を不服とし上告している

▼先日、昨年放映されたドラマ『ハゲタカ』の録画ビデオを改めて観た。元新聞記者の作家・真山仁による原作をベースに再構成したもので、外資系投資ファンドマネージャーとして次々と日本企業を買収していく鷲津政彦。玩具メーカーや大手電機メーカーの買収などを強行するが、その強引さとは裏腹な心の葛藤が繊細なタッチで描写されている

▼大手電機メーカーといえば、パナソニックによる三洋電機の買収が大きな話題となっている。「ハゲタカ」のように外資ファンドによる買収ではないが、実現すれば年間売上高11兆円を超える日本最大の電機メーカーが誕生する

▼この動きが今後、ほかのメーカーの再編を促すきっかけとなることも予想されているが、再編といえば良いイメージが先行する。しかし、想定外の現実が陰で多くあることも忘れてはならない。この辺で二の足を踏んでいるのが近況のようだ。(群馬・AN)

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