コラム

2008/12/04

「道」について思う(群馬・HM)


▼「道」というものを考えてみたい。どこへ行くにも帰るにも必ず使っている。当たり前すぎて、ありがたみを感じることもなく利用している。そんな「道」のことをふと考えみようと思った

▼古くから造られ続けた土木施設である道。初めて中国全土を統一した秦の始皇帝は、全国に道路網をはりめぐらせたと言われる。始皇帝は、全土を1つの国とするため文字の統一などを図ったが、その中で車輪幅も統一し、このために交通の利便性が増したと言われる。一方で、特徴的なのは徳川家康。江戸へ通じる道を細く曲がりくねったものにした。流通には不便だが、攻められた際には守りになる。このあたりは家康の性格がよく出ている気がする

▼「道」という言葉自体も面白い。道路を表す以外に多くの意味がある。「道を誤る」といった道徳を表す場合。「道を極める」というのは、ある特定の分野を指す。「我が道を行く」といえば自分自身の生き方のことになる。そのほか「道が開ける」「道に迷う」など非常に「使い道」が多い

▼建設業界を取り巻く環境は厳しいのみならず、予想外の事が次々と起こり、先が見えない状態。行政サイドは、各種制度の改正に次ぐ改正。企業サイドも、民間への移行、新分野進出など今後の方向性を模索している。「道に迷う」というより「道を見失った」いや「道なき道を行く」状態かもしれない

▼「道」というものはつながっているもの。誰かが前に進むことで、それが道となり、次の世代に引き継がれていく。建設業界は、今までたどってきた道を歩くのではなく、新たな道を切り拓いて進む時代になってきている。(群馬・HM)

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