コラム

2008/12/12

福祉国家と税負担(茨城・KK)


▼「3年後、消費税の引き上げをお願いしたい」「経済情勢が2年で好転したら法案を提出する」過日の麻生首相の発言に「いよいよか」といささか気が重くなる

▼消費税は国際的には付加価値税(value added tax)と呼ばれる。何千年もの税の歴史の中で極めて新しく、1954年にフランスが導入したのが始めてで、まだ半世紀程度の歴史しかない。現在130カ国程度が導入。日本では1988年(昭和63年)竹下内閣が消費税法を成立させ、翌1989年(平成元年)4月1日から税率3%で施行。1987年(平成9年)橋本内閣時に5%に引き上げられ現在に至っている

▼北欧・スウェーデンといえば高福祉・高負担国家として知られる。所得税は29〜37%の地方税の他、高額所得者には20%、25%の国税が加算される。地方税率が高いのは地方分権が進んでいるため。付加価値税の標準税率は25%。日本には無い特定品目の低減税率が12%または6%の2段階設定されている

▼「教育には一銭も使わせない」ースウェーデンの教育に対する確固たる態度だ。小学校から大学まで授業料は無料で、十分な補助が出るため学生の勉学意欲は極めて高い。高齢者福祉は年金を超える分のサービスは全て公費で賄われる

▼国と地方自治体の長期の借金860兆円!破綻状態と言っても過言でない状態の日本。もはや消費税の引き上げもやむを得ないかもしれない。当然、万人の理解を得るためには徹底した行財政改革が求められる。言わずもがなだが、国民生活の安全を担保する公共事業費をさらに削減するなどという本末転倒があってはならない。(茨城・KK)

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