コラム

2009/01/07

弱まる情熱と経済力(茨城・KS)


▼先日、郊外のショッピングセンターでアメリカの自動車メーカー、「フォード」の展示会が開催されていた。スポーツカーの「マスタング」を筆頭に、四駆車の「エクスプローラー」、「エクスペディション」などが豪快に陳列。大勢の買い物客の注目を浴びていた。中でも「マスタング」には筆者も魅了され、思わず魅入ってしまった

▼「マスタング」は、アメリカで60年代から70年代にかけてブームとなった、「マッスルカー」と呼ばれるシリーズの一つで、ほかに「シボレー・カマロ」、「ダッジ・チャレンジャー」などがある。そのダイナミックなフォルム、パワフルなエンジン音、重厚感は男心をくすぐる

▼今、50歳前後の男性を中心に少しずつ人気が再燃しているという。世代は違うが、幼いころからのアメリカ映画の影響で筆者にとってもこれらは憧れの存在であり、いつかは手に入れ、ドライブを楽しみたいと思っている

▼最近の生活意識調査によると、20代のお金の使い道の第1位が「貯金」だという。趣味が「貯金」と答える人も。先行き不透明な世の中に備える堅実さは素晴らしいと思うが、何かものさびしい気もする。人生には「ドキドキワクワク」が欠かせないはず。かつての若者たちはきっと、これら「マッスルカー」などに憧れ、情熱を抱き、それが原動力となって仕事にも前向きに励んでいたことだろう

▼アメリカのビッグスリー(GM・フォード・クライスラーの自動車大手3社)が危機に瀕している。未曾有の不景気も要因だろうが、少なくとも消費者の保守的思考、情熱の弱小化が起因していることも見逃してはならない。(茨城・KS)

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