コラム

2009/01/09

インテリジェンスを見直す(茨城・KK)


▼新しい年、平成21年が始まって1週間。そろそろ仕事もプライベートも、それぞれ目標に向けて、正月休みモードから平常モードにギアチェンジしなければならない頃か。今年は昨年に比して、厳しい環境を覚悟しなければならないだろう

▼英語で「情報」を示す語としては「インフォメーション」と「インテリジェンス」がある。前者は、生情報やデータ、後者が分析、加工された裏づけの取れた確かな情報を表す。この場合の「インテリジェンス」のイメージは従来の「知能」や「聡明さ」ではなく、外交や軍事に関する「情報収集」、「諜報活動」といった意味合い。最近はビジネス書のタイトルなどに使用されることも多い

▼先の大戦、「日本は情報戦に負けた」と言われているが、それは暗号を解読されていたなどという単純なレベルの話ではない。日本も連合軍の暗号をある程度解読していたため、日本が無防備だったというわけではない。問題は日本がインテリジェンスを組織的、戦略的に利用できなかった構造にある

▼桶狭間の戦いの論功行賞で、その第一は今川義元に槍で致命傷を与えた服部小平太か、義元の首級を挙げた毛利新助かとの下馬評の中、織田信長は論功の第一を情報機関の長である梁田政綱に与えた。信長は、奇襲成功の要因が的確でタイムリーな情報にあったことを認識していたのか

▼一層厳しさを増すであろうこの1年、行政にも企業にもインテリジェンスが求められる。セクショナリズム(派閥主義・縄張り意識)を排除し、収集した情報の集約、共有が求められる。真に風通しの良い組織の構築を目指したい。 (茨城・KK)

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