コラム

2009/01/23

時代劇の楽しみ(茨城・KK)


▼暮れから正月にかけての休み中、テレビをつけるとお笑い番組、バラエティ、歌謡ショーなどの裏ではワイド時代劇といったおなじみのラインアップ。歴史もの好きとしては迷わず時代劇にチャンネルを合わせた

▼時代劇は現代劇と並び日本映画の2大ジャンルとして1960年代まで盛んに作られ続けてきた。1953年のテレビ放送スタートと同時にテレビ時代劇の製作も始まる。武士道や忠誠心を描いたもの、捕物帖もの、合戦ものそして股旅ものなど内容によって区分けできるが、おおむね源平合戦から幕末・明治維新までを時代劇と呼んでいるようだ

▼時代劇はチョンマゲを結った現代劇といわれる。時代考証に基づいているとはいえ、当時の慣習や風俗については、現代の視聴者に違和感のないように演出されている。主人公の視点が現代の正義感に合致しており、登場人物のキャラクターが身近で自己投影しやすいのも時代劇の魅力か

▼ヒーローもの、戦国武将ものも人気だ。今の時代、強烈な個性の持ち主がいなくなったからか、新選組の土方歳三や沖田総司のように若い女性に人気の人物もいる。政治家や財界人も家康、信長、秀吉、坂本龍馬、高杉晋作などそれぞれご贔屓を持っているようだ

▼2000年代に入っての時代劇では貧しい下級武士が家族を大事にする『たそがれ清兵衛』、『壬生義士伝』、『雨あがる』などバブル経済の後のスローライフ・サムライものが人気を博している。命がけで婚家を守り抜いた昨年のNHK大河ドラマ『篤姫』の大ヒットにも通ずるところがあるだろう。時代劇は現代を映す鏡に他ならない。 (茨城・KK)

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