コラム

2009/02/02

期待される施設(新潟・HT)


▼「糸魚川市内で、ひめかわ美野クリニックが新築」。本紙・新潟建設新聞に掲載された記事の見出しである。「老朽化」「移転」「規模の拡大」「社運を賭けたプロジェクト」など新築、改築に関らず様々な理由でそこに建物は立ち、すべての人々が、1日も早い完成を心待ちしていることであろう。同院も例外ではないが、完成するまでの期待が高い

▼ひめかわ美野クリニックは、旧姫川病院内にある。「旧」とは、姫川病院は、平成19年6月に約22億円の負債を抱え経営破たんし、閉鎖に追い込まれた。当時の姫川病院は114床、外来患者は、地元の高齢者を中心に約3000人近くにのぼる。現在も債権者が、当時の理事長ら経営陣を相手どり損害賠償請求裁判のまっ最中である

▼ひめかわ美野クリニックは、姫川病院の勤務医であった美野義紀院長が、破産管財人と交渉し、病院施設の一部を借り受けるかたちで脳神経外科を開業しており、このほど市内に新たな診療所を移転開設する。新たな診療所では、CT室やリハビリテーション室などが設けられる予定

▼診療報酬の引き下げ、研修医制度の改正による医師不足など地域医療が抱える問題が深刻化している。姫川病院のあった糸魚川市内には、ほかに総合病院があるものの、広い病院施設の一角で、美野院長と少数のスタッフが、毎日フル稼働で100人近くの患者を診察しているそうだ

▼そんな忙しい中でも、取材に応じてくれた美野院長は「完成すればすぐにでも開業したい」と語った。美野院長だけでなく、新たな「ひめかわ美野クリニック」は、地域住民も首を長くして待ち望んでいる。(新潟・HT)

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