コラム

2009/02/27

滅びゆく美しい日本語(茨城・KK)


▼便利な時代になったものである。パソコンで小欄の原稿を書く際、時々、動画サイトのYou Tubeを見る。お気に入りのミュージシャンのライブが気軽に楽しめ、思わず成すべき仕事を忘れることも

▼故・村下孝蔵さんの動画を見た。シンプルで美しいメロディー、温かみのある歌声、日本語だけの歌詞からなる彼の作品は名曲ぞろいだ。英語まじりの軽快ないまどきのサウンドに慣れっこになっている身にはかえって新鮮でいつまでも耳に残る

▼世界中で使われている言語は、部族間での言葉、民族間での言葉、国家での言葉、さらに英語、スペイン語など多国間で通ずる言葉の4通りに分類される。それら世界の言語の総数は約6000といわれている。そのうちの2割が瀕死の状態にあり、8割が今世紀中に消滅するという

▼2000年1月、時の小渕首相の肝いりで『21世紀日本の構想』がまとめられ「英語の第2公用語化論」が話題になった。きっかけはやはりインターネットの普及らしい。確かにネット上で英語は抜群の占有率を誇っている。情報が経済の死命を制する時代にあって、英語が世界の普遍語になる可能性も否定できない

▼近年、特に日本語が乱れていると嘆く人は多い。学識経験者や年輩者だけでなく、若者を含めたかなりの人が同じ感想を持っているようだ。漢字力・読解力の著しい低下、理解不能な若者言葉の氾濫、アイコン化する文字…「違和感」などという言葉では表現できない絶望的なものを感じる。グローバル化の流れの中で日本語もいやおうなく変化していくだろう。これまでの美しい日本語は果たして生き残れるのだろうか。(茨城・KK)

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