コラム

2009/03/05

好敵手の相乗効果(群馬・SS)


▼ウオッカとダイワスカーレット。競馬ファンにはお馴染みの存在で、彼女たちは若いころからのライバル関係だ。2頭のメス馬が互いに覇を競うのみならず、果敢にオス馬を相手に挑み、そのことごとくを打ち破った姿は、競馬ファンの心に大きく響いた。今年、ウオッカは世界の強豪を相手にドバイへと旅立つ。一方のダイワスカーレットは、致命的な怪我を発症し引退、袂を分かつ

▼昨年11月に行われた「天皇賞」が、2頭の激闘のハイライト。着差はわずか2?。思い入れ次第でどちらとも取れるものだった。結果としてウオッカに軍配が上がったが、ファン・関係者は2頭の活躍に心からの賛辞を贈った。好敵手同士のレベルの高い争いというものは、かくも美しい

▼2016年夏期オリンピックの招致に東京をはじめ、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードの4都市が争っている。いずれも国を代表する大都市で、東京とはライバル関係にある。石原慎太郎都知事は「最先端技術の成果を世界に広く還元したい」。3兆円の経済効果を期待できるという

▼100年に1度の未曾有の大不況と叫ばれている昨今、特に地方の建設業者の体力は失われつつある。ライバル業者と切磋琢磨するにも、そのライバルも元気がなく、存命に努めることで精一杯という声が聞かれる。建設産業を豊かにするためのカンフル剤が求められる

▼先のウオッカとダイワスカーレットの例もそうだが、ライバル関係というものは当事者同士の力を飛躍的に向上させるものだ。建設業界もこの不況に打ち勝って、好敵手同士で切磋琢磨し、元気な建設業をアピールしてもらいたいと願う。 (群馬・SS)

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