コラム

2009/03/06

日本が誇るべき健全企業(茨城・KS)


▼イタリア系アメリカ人配管工の兄弟が、カメの大王に捕らわれたお姫さまを救うため、コインを集めながら、キノコでパワーアップして立ち向かう―。国内のみならず世界で大ヒットし、誕生してから20年以上経った今でも愛され続けるゲーム「スーパーマリオブラザーズ」だ

▼この奇想天外で明快なゲームの生みの親は任天堂(京都府)。もともとは花札やトランプなどを販売する総合玩具メーカーだった。1983年に家庭用コンピューターゲーム「ファミリーコンピューター(ファミコン)」を発売し、ゲーム産業の礎を築いた。それからも創造力溢れ、人々を楽しませる魅力的なゲームを作り続けている

▼世界的大恐慌の最中にもかかわらず、この任天堂が1兆8200万円という過去最高の売上高を叩き出した。自動車会社や家電メーカーが工場の稼動停止や人員削減など軒並み壊滅状態の中、闇夜に燦然(さんぜん)と輝くきら星のごとく業績を上げることは凄まじい

▼なぜこれまでに好評なのか。それは家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」が、時代が生んだ出費を抑えるため外出を控える「巣ごもり族」たちにピタリとマッチしたからといわれる。家に居ながらにしてゴルフやスキー、テニスにヨガなどが楽しめてしまう。昨今は自然回帰志向が高まり、アウトドアブームが起こっているかに思われたが、これは考え方だけにとどまり、実行動が伴っていないということか。不思議な様相である

▼何はともあれ、どんな状況でも必ず起死回生への道はある。運を「天」に「任」せてばかりでは開けない。自らの道を信じ、ひたすら進むのみである。(茨城・KS)

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