コラム

2009/03/09

景気が与える影響(山梨・TH)


▼「厄地蔵さん」の愛称で親しまれる山梨県甲府市の塩沢寺で先月13日厄除地蔵尊祭が開かれた。厄除地蔵尊は一年に一度、13日正午から14日正午までの間だけ、耳を開いて願い事を聞くと伝えられている。今年は景気悪化の影響だろうか、参拝の長い行列を見た

▼景気悪化の影響は、県内でも進行している。県では、JR甲府駅北口県有地への高度情報化拠点について横内知事が「社会状況の変化も想定され、必要に応じて見直しも行う」と発言。事業を一時的に凍結し、再開の時期は経済情勢などを見極めながら対応する考えを示している

▼また、県内企業では甲府市内にある「オギノかすがも〜る店」が2月14日の営業を最後に閉店した。市中心街活性化の先導役を期待され、出店してから約6年近く経過、施設の老朽化などが要因に挙げられていた。同店舗が無くなることにより、中心部の空洞化が加速する

▼影響は観光地にも飛び火した。全国に知られる温泉街、笛吹石和温泉郷では、団体旅行の減少、不況の波を受け、旅館が笛吹市に納付する入湯税の滞納が増加した。各旅館は厳しい経営を強いられ、入湯税が運転資金の一部に充てられる状況だ

▼景気悪化の話題は連日、ニュース番組で伝えられている。企業の倒産及び撤退、正社員・派遣切りなど話題が尽きない。それを見たものは、「我が国はどうなるのか」「勤めている会社は大丈夫なのか」と陰鬱(いんうつ)な気持ちになる。景気は決して良くはない。事実は事実として受け止めないといけないが、不安をあおるような過熱報道は如何なものか。景気刺激策が早急に実施されるよう期待してやまない。(山梨・TH)

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