コラム

2009/03/12

空っ風に期待する(群馬・AN)


▼群馬といえば「かかあ天下と空っ風」という言葉が有名。ただ、県民にとって「かかあ天下」というイメージは、それほど強くはなく、逆に「亭主関白」の比率が高いと感じているようだ

▼一方の「空っ風」については、県民だけではなく、来県者の誰もが口を揃えて「群馬の強風はすごい」と驚く。「空っ風」とは、山を越えて吹きつける下降気流のことを指す。本県は山々に囲まれているため、その勢いの凄まじさは半端ではない

▼県内でも続々と新年度予算が明らかになり、世界的な経済不況による税収不足など、厳しい状況を強いられながら、雇用対策などに重点を置いた編成が特徴となっている。県の予算案でも税収不足が懸念されているが、公共事業費に関しては前年度対比2・5%増の伸びを示した。大澤正明県知事は、記者会見で「群馬を羽ばたかせるための予算を組んだ」と強調した。公共事業による景気回復に自信をのぞかせる

▼不況を背景に民需の冷え込みは、一段と増しているが、公共事業に対する風向きは変わってきている。先日行われた団体主催の講演会で、あいさつに立った代表者は「まだまだ厳しい状況にあることは確かだが、業界へフォローの風が吹きはじめた」と表現。内需拡大のための公共事業に期待が集まりつつある

▼「公共事業=悪」という構図から今でも業界は抜け出せず、景気のさらなる悪化によって廃業を余儀なくされている企業も多く、倒産も相次いでいる。このような中、業界へ吹き始めたフォローの風が「空っ風」のような強い風へと変わることに期待を抱いているのは、筆者だけではない。(群馬・AN)

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