コラム

2009/03/18

パブリックコメントの効用(埼玉・AO)


▼パブリックコメントについて、「政策等の案を事前に公表し、市民から提出された意見を考慮して意思決定を行うとともに、当該意見に対する市の考え方を公表する一連の手続をいいます」とする自治体のホームページを見た

▼確かに、この制度が思惑通りに活用されれば、言われるとおりの成果が上げられるに違いない。では、実際のパブリックコメントの成果はどうなっているだろう。実施している自治体の多くは、寄せられた意見とその回答などもホームページに掲載している

▼しかし、先日見たものは、なんと「寄せられた意見0」。ホームページ、広報紙を使って、意見を下さいとPRしていても、ゼロの状態なのだ。とてもすばらしい計画案なので意見がないのか、意見を出すことすら面倒なのか。意見を出しても、変わらないとか、行政に任せておけば大丈夫と考えているのだろうか。ここは奥が深い

▼アメリカのニクソン・元大統領が使った「サイレントマジョリティ」、また安保闘争時に岸・元首相が使った「声なき声」などのケースがある。声を出す国民に対して、物言わぬ国民、それも多くの国民を指す言葉だろう。無言は肯定という言葉もあるが解釈は一様ではない

▼お上には逆らえないとか、行政が勝手に作ったと揶揄(やゆ)された昔と違い、パブリックコメントは、国民、市民参加により計画などを策定するという非常にすばらしい考え方。どこまで、意見が反映されるかは分からないが、言いたいことがあれば、まず声を出してみる。これが、第一歩だ。この制度はある意味、直接民主主義にも会い通じる面もある。(埼玉・AO)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら