コラム

2009/04/01

土木と記者は経験値(埼玉・YW)


▼埼玉県の土木系職員が自ら体験した現場技術や後日談をまとめ、若手職員にノウハウを継承すべく冊子をまとめた。本課の具体的な現場技術募集の呼びかけに対して41人が応募し厳選して冊子となった

▼埼玉県の土木職員の技術力低下が叫ばれ、去る20年10月発行の建設雑誌で都道府県別の技術力で全国最下位の烙印が押された。そこで地域機関の技術の副所長が現場での実践ノウハウを結集し冊子にまとめ若手に学んでもらおうということがきっかけだった

▼ページをめくると素人では分からない専門的な計算式を掲載したり、自らの失敗談の事例を掲載したりそれなりの経験が結集している。問題は、苦情、雑務など、例えば、契約の手続きで料金確認まで技術職が一連の作業で行うようになり、それをパソコンで管理すること。そのため本業の現場でのスキルアップと見て・聞いて・触れてといつたことができにくくなり、経験を学ぶための時間をどう作るかが課題となった

▼諸々の雑務で、机に向かう時間が増加したなどの職場環境が技術力低下を招いている。便利なパソコンが登場し机上で要領の良さを身につけたが、反面技術力低下につながっているのは事実だ。知ることと調査する術は分かっても、現場での基本をおろそかにしてはいないか

▼弊社も技術力の低下が危惧される。このままでは笑い事ではなく、記者技術の継承は、「パソコンをこまめにクリックすること」と教わる時代が到来するかもしれない。埼玉県は事例で、誰がどの技術を実践したかを把握するとのこと。新聞社の継承とは何か、末端の石ころ記者の筆者も真剣に考えたい。(埼玉・YW)

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