コラム

2009/04/03

春は?サヨナラ?(茨城・HS)


▼改修工事の終わった甲子園球場で、第81回選抜高校野球大会が終わった。このところ、すっかり春めいた陽気が続いていたが、球春の到来は改めて冬の終わりを実感させてくれる。「暑さ寒さも彼岸まで」との言葉の通り、そろそろ厚手のコートともサヨナラできそうだ

▼サヨナラといえば、高校野球の初日は、3試合中2試合がサヨナラでの決着となった。高校野球は試合が終わるまで何が起こるかわからないとよく言われる。トーナメント方式では、一度でも負ければすべてが終わってしまうため、最後まで諦めない気持ちがサヨナラという劇的な結末につながったのだろう

▼一方で、サヨナラせずに80年以上が経過してなお健在しているものもある。リニューアルされた甲子園球場がそれだ。大正13年(1924年)の建設以来、何度も改修を重ね、いくつものドラマを生み出してきた高校球児たちの聖地。今年のシーズンオフに待つ外構整備が終われば、すべての工事が完了となる

▼球場のリニューアルサイトでは、「歴史と伝統を今後も継承していく」とうたっており、長年親しんできたファンが気にする外観の変更はほとんどないという。名物の蔦も外壁補強後にきちんと再生されるらしく、甲子園球場とのサヨナラの心配は、まったくいらないようだ

▼また春は別れの季節である。人によってはいくつもサヨナラがあるだろう。しかし、春は同時に出会いの季節でもある。別れがあったからこそ巡り合えた出会いも必ずあるはずだ。別れをただ悲しみ嘆くか、新しい出会いの好機とするかは本人次第。人生は、出会いと別れ繰り返しなのだから。(茨城・HS)

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