コラム

2009/04/09

人も企業も脂肪が必要(群馬・HM)


▼過日、テレビで面白い企業紹介の番組を見た。1つは、「ないものはない」という品揃えが武器のスーパーマーケット。もう1つは、「全員参加の長い会議」を実践している企業。いずれも「効率化」という部分では逆行しているように見えるが、業績は伸びている

▼まずはスーパー。「お客さまのため」を第一に、年に1個しか売れないような商品でも棚に置く。醤油だけでも200種類はある。そのほか、高齢者や身体障害者の割引についても、その場で現金還元。さらに送り迎えもしてくれるという。採算がとれるか疑問になるが大丈夫だという

▼一方、全員参加の長い会議をする企業。通常、会議といえば、それぞれの担当者が事前に資料などをきちんと揃え、短い時間で済むようにするのが効率的と言われる。しかし、あえて逆を行く。理由は「日本人の性格にあっている」からというが

▼会議では、1人でも反対や理解できない人がいれば、その人が納得するまで説明をする。この時には肩書きなど関係ない。説明すべきことはきちんと説明し、少しでも疑問が残る人がいれば会議は終わらない。長い会議の果てには、全員が納得し同じ方向性を持った状況が生まれる。これが結果に結びつくという

▼これらの方法をそのまま真似することはないが、「効率化主義」に一石を投じる考え方は見習うことができる。今までは、単に「脂肪」と考えられていた部分。その脂肪を取り除くことが効率化だが、脂肪をそぎ落とした体は弱さも持っている。太りすぎは駄目だが、ある程度の脂肪は人間には必要。人で成り立っている企業にとっても同じことではないだろうか。(群馬・HM)

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