コラム

2009/04/20

プロフェッショナルへの道(埼玉・SW)


▼様々な分野に置いてプロフェッショナルが存在する。「お金をもらっている以上はプロ」あるアスリートの言葉だ。それは社員にかぎらず、パート・アルバイトにも当てはまろう。また、それが世間に誇れる仕事であろうと、仮に後ろめたい仕事であろうとも

▼昨年3月31日未明。外は薄暗く、月曜早朝でもあり、とても静かなひととき、玄関の戸をドンドンと叩くけたたましい音で目を覚ました。激しく叩く主は通りすがりの牛乳配達の女性。「大変ですよ。おたく、火事ですよ」とただならぬ様子。何事かと戸を開けると、自宅前の工場がメラメラと火で覆われ始めている。家族を起こし家の外へと飛び出した

▼人は無事に逃げたが、次の気がかりは「自宅に火が燃え移りはしないだろうか」という思い。飛び火すれば、これまで大切に集めてきた品物だけでなく、思い出もなにもかも消え去ってしまう。お金ではどうにもならない、もう集めることのできない物も少なくない。最悪の事態が頭をよぎった

▼119番通報から間もなく、何台もの消防車が駆けつけた。燃え盛る炎に対して、懸命な消火活動が行われた。自分たちはその光景を見守ることしか出来ない。黒煙を上げる炎を見ながら筆者の隣で父がポツリ「人は無力だな」と呟いた

▼幸い、前日からの降雨とほぼ無風だったことに加え、消防士らの必死の消化により自宅への被害はなかった。さすがプロフェッショナル。惜しむらくは、仮に紙面に紹介できなかったとしても新聞記者であるならば、カメラを手に燃え盛る炎を激写すべきだったのでは―と後悔も。まだまだ、プロへの道のりは長く、険しい。(埼玉・SW)

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