コラム

2009/04/21

公平な聞屋の目線(茨城・HN)


▼最近、行政記事について書くことが多い。行政記事とは、行政の法律や制度の是非、業界団体の抱える問題点などを広く取材し、改善点を探るといったテーマとしている

▼しかし、この行政記事の出稿が容易ではない。工事や業務の発注に関する記事ばかりを何本も書いてきた筆者にとって、行政記事は1本書くだけでもとても時間を要すること。思うように記事を出稿できないことが、日々ジレンマとなっている

▼この行政記事を書くうえで、一つ気をつけていることがある。それは偏った見方にならないよう、双方の考えに目を向けて、多方に取材するよう心がけているということだ。賛同するものにとっては良い記事でも、万人がそれを受け入れるとは限らない。新聞記者は?聞屋?とも言う。筆者は大所高所から聞き耳を立て、それを公平な目線で報じる役割だと認識している

▼たとえば工事現場で起こっている諸々の問題を調べるとする。そうした時、頭に浮かぶのが発注者と受注者の関係。まず、受注者側の意見を聞くため、業界団体や企業のトップ、そして現場の作業員から生の声を聞くことが重要だ。そしてその一方で、発注者にその声を投げかけるわけだが、その際に、発注者側の見解を聞くことも忘れてはならない

▼物事を単純化して、ただ一方向のことに肉付けしていくことは容易だ。しかし、それはあまりに安直で、うがった見方に陥りかねない。万人が喜ぶ記事というものは、もしかしたらないのかもしれない。それでも、われわれ?聞屋?は双方に左右されず、できるだけ公平な立場から第三者的な目線で取材に臨まなければならない。(茨城・HN)

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