コラム

2009/04/28

手の届くところに「公告」(茨城・TY)


▼「○は世界で一番幸せな国」「○歳からの出合い、結婚へ」「○管理が健康な体の基本」「○日は店内全品3%引き」。男性、女性、主婦、老人、若者…。どんなターゲットに向け、告げられた広告か、想像するだけでも楽しい。私たちは1日にどれだけの広告やコマーシャルと戯れていることか

▼新聞、ラジオ、テレビ、ネットなどマスメディアを始め、バスの車両、電車の中吊り、チラシ、ポスター、フリーペーパー、看板、電子掲示板…。媒体を挙げれば数限りない。視覚、聴覚、今では臭覚に訴えるものまで登場した。大抵のものは広告媒体になりえる可能性を持つ。紙に印刷され、映像が流れ、媒体という器に乗って、言葉がそれぞれの意味を増幅する

▼伝えたい意図と、情報を必要とする受け手側の思いがつながれば契約が成立。売買のほかにも、時には、贈り物、出会い、催し物への参加、旅行など、それぞれに応じた思い、行動に結びつくあらゆる活動が派生する。ある意味で生活そのもの。人が人と暮らすため、大きくとらえれば社会資本としての役割を果たす

▼人から人へ。コンテンツ(内容)を通じて情報を宣伝。伝えるために言葉の形を考え、大きさを決め、色を与え、絵や写真を巧に使い、デザインを整え、生きた文字や声とする。インパクトを求め、瞬間的なひらめきをもって冴えた印象をひねり出す。相手の気を惹く恋愛にも近い仕組み

▼社会は集団が原則である。よってコミュニケーションなしに生きられない。人と人を結び付け、仲介する広告。最も根源的なやりとりが広告主と見る側に生まれる。いかにも人間らしい情報伝達手段である。(茨城・TY)

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